”よし!こうなったらトリップだ!体内感覚を一種の自主催眠状態に追い込む…。超高速トラベラーの深海&宇宙空間コースで!”

彼女のセルフトリップ作戦(?)のイメージとしては、あの名作映画『2001年宇宙の旅』で、主人公の宇宙パイロットがディスカバリー号で異空間滑走するあの眼がクラクラする長回しの名シーン…、それの臨場体感を被験するというものだった。

ココにある超高速トラベラーは、操縦キッドが備わっており、自分の操作で高速滑走は行き先が決まり、画面は超スピードでどんどん巡る。
しかも、ワイドスクリーンの3Dでド迫力の色鮮やかな深海、大宇宙が視界に広がるのだ…。
あくまで、操縦士、宇宙船のパイロットたる自分が目撃する視界として!

ここでの肝は、その移動スピードには、操縦する自分には視界も含めて到底、追いついていけない…。
要は乗り物に乗って運ばれるだけ…。
そんな疑似体験なのだが…、視界が追いかける”船外風景”の移動スピードがハンパないため、ある種のメンタル破壊が生じる恐れもあり、このマシーンは16歳以下の搭乗制限が計られていた。

しかし、ノゾミの場合は敢えて自分の平衡感覚をトリップしたトランス状態に持っていき、脳波に超高速という極度の刺激を与えることで、一時的なメンタル破壊を故意に引き起こそうとする試みと言えた。