いや…、これはここまでギブソンタケルへ心奥深くからデリ希求していた彼女からしたら、ちょっと、気付くまで間があった。

”そうだよ!カレが私を巡礼してくれた証だよ‼…髪の毛…、髪の毛―!”

俄然、彼女は眼をかっ開いて、”それ”を探した。
それこそ、便器のフタから下周りまで両の眼を掃除機にして吸い取っていたのだが…。

同時にその作業は当然ながら、”たった今?”、カレと一緒にいた時間を思い返しながらであった。
ここで、彼女は再び気づくのであった!

”私!…彼に後ろから抱かれてた…。首筋からうなじにかけて、ふうっと息を吹きかけられるのが好きで、今日のカレはそれを知っててくれた。それで、それ、やってくれてた。その際、私は後ろ手でギブ様の頭を…、カレの髪の毛を撫でるように掻き上げていたよ!意識してたんだよ、私!カレの髪の毛を一本、持ち帰らなきゃって…。彼にソフトタッチで胸とか触れられて前身、とろんとしながらも、私、ギブ様の髪の毛をずっと意識して触ってた。ならば…‼”

ノゾミは便器に向かってしゃがみ込んでるその姿勢のまま、両手をゆっくり広げ、両の眼で凝視した。
すると…。

”あった!あった!髪の毛だ‼あの人は、」ちゃんとこの世で生きてる私をデリしてくれたんだ、こんなトイレの個室の中に!嬉しい~💖✖100❣”

それはまさしく灯台下暗し…。
幻想は事実よりも奇なり!

信ずる執念は固き芯を狩る~~💖

水元ノゾミは全身をブルブル震わせながら、左手中指と薬指で挟み込んでいた、茶がかった太くジャスト50ミリの小さな”お宝”を喰入るようにその瞳へ刻み込んでいた。
潤んだふたつの瞳で!