次の日目が覚めると、下から物音がした。純はもう起きているらしい。数秒後、チリリリリ、リリリリリと目覚まし時計が鳴る。目覚まし時計の設定よりも早く目が覚めてしまったようだ。顔を洗おうと下へ降りようと思い、1歩足を踏み出す。そしてその1歩で足を止めてしまった。なぜなら _純に会うのが気まずかったから。昨日、純にトレードのことについて聞いた。そんな聞いてはいけないことだとは全く思っていなかった。なのに。純は、逃げてしまった。「ごめん」と言い残して。


気まずすぎて、下に行けない。どうしよう・・・。本当に、なんであんなこと聞いてしまったんだろう。こんなに気まずくなるくらいなら、聞かなきゃよかった。時間もまだまだあったし、そんなに焦る問題でもなかったのに。


よし、気持ちを切り替えて身支度よりも先に持ち物を用意しておこう。そう思い、時間割表を見ながら教科書やノートの準備をしよう。


その後も純とできるだけ鉢合わせないよう、純と正反対の行動をした。昨日のは完全に私が悪い。無意識だとしても。それがわかっているからこそなんだか気まずかった。


たまにちらちらと純の視線を感じる。いつもと違うことに気がついたみたいだ。けれど気づいていないふりをして目を合わせないようにした。最初は気にしていたようだけれど、次第にもう視線も感じないようになってきた。ありがたいことだけれど、寂しい気持ちもある。私って、わがままだな。


そんな純を避ける生活が1週間ほど続いた。最初は私はなぜかわからないけれど、寂しかった。前なら純と話さなくたって全然大事大丈夫だったのに。1週間も続くと私もなれてきて、何も感じないようになった。純とも、話さなくなり、だんだんと

この生活が普通になってきた。このままこの生活が普通になってしまうのは嫌だけれど、始めたのは私。仲直りをするには、私から言い出さないといけない。そう思っても、言い出せない。どうしよう。