部屋に入り、2階へ行く。そして、カバンは床に放り投げ、私は真っ先にベッドへダイブする。このまま寝落ちたら大変だという考えも頭をよぎったけれど、もうどうでも良くなって諦める。


純・・・は、幼馴染で、大切なのは大切だ。それは、恋愛感情?わからない。これだけ考えるのも一苦労。


もともと疲れているのもあって、私は帰ってきて10分ほどで寝落ちてしまった。


「はっ、今何時!?やばい、寝落ちた!」


寝ていたことに気がつき、ガバッと起き上がり、誰もいない部屋に叫ぶ。 時刻は午後6時。全然セーフだ。


純に聞かないと!やろうと思ってたことを思い出し、あわてて階段を駆け下りる。


「純!話がある!来て!お願い!」


下りてすぐに純を呼ぶ。すると奥からのっそりと純が出てきた。案外近くにいたみたい。


「何、うるさい」


「話がある。これからの私たちについて」


最初はものすごくこの上なく迷惑そうな顔をしていた純だったが、真剣な雰囲気が伝わったのか聞いてくれるようだ。

「話がある」とは言ったものの、聞きたい気持ちと、返事が怖くて聞きたくないと思う気持ちが私の中でぶつかり合う。でもここまできたからには引き下がれない。やめたい気持ちをこらえて言葉を発する。


「純は、さ・・・、トレード、したい・・・?」


反応が怖くて見れない。がんばって顔を上げると、純は困惑の表情を浮かべていた。


「え・・・・お、れ・・、ごめん」


そう言い残して純は階段をすごい勢いで駆け上がり、ばたんとドアを閉めた。


嫌がられた・・・?この質問は、しちゃダメだったかな・・・。焦りすぎだよね・・・・。思ってた以上に拒絶されたことが悲しくて、視界が滲んでくる。嫌われたかな・・・。


もう何かする気にはなれなくて、ご飯も食べずに上に逃げ込んだ。