同い年の同じ名前の女の子2人がいて、男の子は勘違いで告白をしてしまいました。
告白された女の子ははじめ、そのことを知りませんでした。
でも、男の子の態度が急に変になったこと、同じ名前の女の子が現れたことに気づいて、事実を知ってしまったのです。
しかも、同じ名前の女の子は、女の子から見てもとても可愛い女の子でした。
男の子みんなが好きになってしまうような女の子なのです。
こんな子なら、確かに好きになってしまうのも仕方ない。だってその子は本当に魅力的だから。
女の子は悩みました。
悩んで悩んで、頭が痛くなるまで悩みました。
頭の中はそのことで埋め尽くされています。
でも、答えは出てきませんでした。いや、正確に言うと、出せなかったのです。
なぜなら、女の子は男の子に惹かれていたからです。
はじめはただかっこいいと思っていた男の子だけれど、彼のいろいろな面を知っていくことで中身まで好きになりはじめていたのです。
別の女の子を好きでも、彼の隣にいたいと思ってしまったのです。
自分の部屋に帰ってくると、おとぎ話風にして一華にメッセージを送った。
夕食を食べているとき、お風呂にはいっているとき、考えていたことは春樹君とるいさんのことだった。
お兄ちゃんにもお母さんにもお父さんにも、ぼーっとしてるけど大丈夫? と心配されてしまった。
まさか、恋で悩んでる、なんてことも言えず、授業がなかなか難しくて、と誤魔化した。
ベッドに横になって天井を眺める。天井の白に春樹君とるいさんの姿が浮かんでくる。
ぎゅっと目を瞑った。けれど、今度は頭の中に2人の姿が映し出される。
スマホを手にして、気分転換にショート動画を見漁る。美味しそうな料理、今すぐ行きたくなるようなスイスの風景。
見ていると、スマホの上部に一華からの返信が表示される。
『なにこれ? どういうこと?』
きっと一華だってなんとなく気付いているはずだ。
『全部事実です』
『ってことは、本物のるいがいたってこと?』
『そういうこと』
『まじかあ。なんとなく、そうかなとは思ってたけど』
『え、どういうこと』
一華の考えていることがなんとなく分かってしまい、ふっと口元が緩む。
『まあ。てか、どうすんの?あ、今悩んでんのか』
『どうしたらいい?』
身体をごろんと転がして横向きになる。
『ちなみに、神山くんは知ってんの?』
『直接は聞いてないけど、多分知ってる』
春樹君がるいさんに向けた視線には、確かに他の人にはない特別があった。
誰が見たって、きっとあれが特別な人に向ける目だということは分かる。
わたしに告白してきたときと同じ目。
言葉にしなくても伝わってくる、好きだという思い。
そしてわたしを見るときの、困惑した表情。
るいさんに向ける目とわたしに向ける目が違いすぎて、わたしはもうどうしたらいいのか分からない。
告白された女の子ははじめ、そのことを知りませんでした。
でも、男の子の態度が急に変になったこと、同じ名前の女の子が現れたことに気づいて、事実を知ってしまったのです。
しかも、同じ名前の女の子は、女の子から見てもとても可愛い女の子でした。
男の子みんなが好きになってしまうような女の子なのです。
こんな子なら、確かに好きになってしまうのも仕方ない。だってその子は本当に魅力的だから。
女の子は悩みました。
悩んで悩んで、頭が痛くなるまで悩みました。
頭の中はそのことで埋め尽くされています。
でも、答えは出てきませんでした。いや、正確に言うと、出せなかったのです。
なぜなら、女の子は男の子に惹かれていたからです。
はじめはただかっこいいと思っていた男の子だけれど、彼のいろいろな面を知っていくことで中身まで好きになりはじめていたのです。
別の女の子を好きでも、彼の隣にいたいと思ってしまったのです。
自分の部屋に帰ってくると、おとぎ話風にして一華にメッセージを送った。
夕食を食べているとき、お風呂にはいっているとき、考えていたことは春樹君とるいさんのことだった。
お兄ちゃんにもお母さんにもお父さんにも、ぼーっとしてるけど大丈夫? と心配されてしまった。
まさか、恋で悩んでる、なんてことも言えず、授業がなかなか難しくて、と誤魔化した。
ベッドに横になって天井を眺める。天井の白に春樹君とるいさんの姿が浮かんでくる。
ぎゅっと目を瞑った。けれど、今度は頭の中に2人の姿が映し出される。
スマホを手にして、気分転換にショート動画を見漁る。美味しそうな料理、今すぐ行きたくなるようなスイスの風景。
見ていると、スマホの上部に一華からの返信が表示される。
『なにこれ? どういうこと?』
きっと一華だってなんとなく気付いているはずだ。
『全部事実です』
『ってことは、本物のるいがいたってこと?』
『そういうこと』
『まじかあ。なんとなく、そうかなとは思ってたけど』
『え、どういうこと』
一華の考えていることがなんとなく分かってしまい、ふっと口元が緩む。
『まあ。てか、どうすんの?あ、今悩んでんのか』
『どうしたらいい?』
身体をごろんと転がして横向きになる。
『ちなみに、神山くんは知ってんの?』
『直接は聞いてないけど、多分知ってる』
春樹君がるいさんに向けた視線には、確かに他の人にはない特別があった。
誰が見たって、きっとあれが特別な人に向ける目だということは分かる。
わたしに告白してきたときと同じ目。
言葉にしなくても伝わってくる、好きだという思い。
そしてわたしを見るときの、困惑した表情。
るいさんに向ける目とわたしに向ける目が違いすぎて、わたしはもうどうしたらいいのか分からない。



