好きになっちゃ、だめでしたか?

 めいはまるで、見てはいけないものを見たときのように目を丸くし、わたし以上に驚いた表情を作った。

 めいは視線を天井に上げ、わたしにかける言葉を考えているようだ。

 言葉を待っている間に、香ばしい香りの紅茶が、優しい表情を浮かべた女性が運んでくる。

 わたしは一口紅茶を飲んで、高ぶっていた神経を落ち着かせる。

 その次にめいも一口紅茶を啜ると、ようやく声をだした。

「まさか、本当にそんなことってあるんだね」

 わたしは心の中でめいの言葉を反復した。

 本当にその通りで、まさかまた春樹君と会える日が来るなんて思ってもみなかった。

「でも……」

 次の言葉を言おうとするのに、なかなか言葉が喉から出てこない。

 言いたいという気持ちと、言ったら本当に現実になってしまうという気持ちが混ざって、苦しい。

 もう一度紅茶を口に含んで、緑で囲まれた花畑を思い浮かべて神経を落ち着かせる。

「でも?」

 息を吸った。