「おーい、葵ー?」

「……ごめん。ボーっとしてた」

 あれこれと考えていたせいで、伊織が呼んでいるのに気が付かなかった。

 本当にいけないと思うのは、性格の関係もあるだろうけど、真奈と伊織を重ねてしまいがちなこと。

 私はいつまで真奈に囚われているのだろうって。真奈は真奈で、伊織は伊織なのにって。こんなんじゃ、真奈にも伊織にも失礼でしかないのにって。

 再び思考の海に沈み始める私。

―――そんな時だった。




『……けて』