六月初めの登校日は、体育祭も間近に迫っているということでクラス全体の雰囲気が浮ついたような感じだった。
それは私の友達も例外ではなく。
「やっぱりJKの醍醐味と言ったら体育祭だよね~。体育祭マジックって知ってる?」
テンション高めに恋愛系の話を持ちかけてきたのは、佐久間伊織(さくま いおり)。おしゃべりとお洒落が大好きで、活発な雰囲気のある子。
「ああ、知ってる知ってる。体育祭が終わってすぐ、カップルの数が増えるアレでしょ?」
「そうそう! あたしにも出会いあるかなー?」
「それは伊織の行動次第じゃない?」
「だよね~」
私が比較的聞き役になるからか、親しくなる相手は大体話すのが好きな子だ。
真奈がそうだったように。
「ねえねえ葵。教科書取りに行かない?」
「いいよ……って、ちょっと待って!」
伊織が私の返事を聞く前に走り出したので、慌てて席を立ち、ダッシュで追いかける。伊織は無駄に足が速いから、相当急がないと置いていかれるんだ。
しかし人間というものは、急いでいる時ほどやらかしてしまう生き物のようで。
それは私の友達も例外ではなく。
「やっぱりJKの醍醐味と言ったら体育祭だよね~。体育祭マジックって知ってる?」
テンション高めに恋愛系の話を持ちかけてきたのは、佐久間伊織(さくま いおり)。おしゃべりとお洒落が大好きで、活発な雰囲気のある子。
「ああ、知ってる知ってる。体育祭が終わってすぐ、カップルの数が増えるアレでしょ?」
「そうそう! あたしにも出会いあるかなー?」
「それは伊織の行動次第じゃない?」
「だよね~」
私が比較的聞き役になるからか、親しくなる相手は大体話すのが好きな子だ。
真奈がそうだったように。
「ねえねえ葵。教科書取りに行かない?」
「いいよ……って、ちょっと待って!」
伊織が私の返事を聞く前に走り出したので、慌てて席を立ち、ダッシュで追いかける。伊織は無駄に足が速いから、相当急がないと置いていかれるんだ。
しかし人間というものは、急いでいる時ほどやらかしてしまう生き物のようで。
