いざ、ベットで二人並んで入ると隣にぬくもりが感じられるのは想像以上に安心した。

「おやすみ」
「おやすみ」

何事もないように静かになった。
俺は南の様子をみると、やはり目を瞑ると見える暗闇に少し怯えているように見えた。

「南、こっち向いて」
南はゆっくりとこっちに向いた。

「晴、やっぱむり…寝れないよ」
声が震えていた。
俺は思わず南に抱きついた。

「大丈夫。大丈夫。無理に目をつぶらなくてもいいよ」
背中を撫でてあげた。
この苦しみを一人で乗り越えてきたのか。
何か南自身、おばさんの事故で引っかっていることがあるのだろうか?

「南、何かおばさんの事故について引っかかっていることがあるのか?」

「…お母さんを、轢、 いた犯人のこと」
おばさんをひいた犯人は、反社会的勢力の人だった。もちろん、すぐに捕まった。
しかし、反省している様子が伺えなかったからだろう。