一度倒れたら、溺愛がとまりません!!

いざベッドに入って寝ようと思ってもなぜか寝付けない。

あきらめてリビングに行くと晴がテレビを見ていた。

「南?どうしたの?寝れなかった?」

「う…ん。なんか寝付けなかった」

「おいで。となり」

ソファーに座っていた晴にそう言われて隣に座った。

「そうじゃなくて、こう」

体を倒されて、気づいたら晴に膝枕されていて

「え?膝枕?」

「寝れないんでしょ?はい、目閉じてごらん?」

晴の手のひらが私の目を覆って優しく言われた。

「お疲れ、仕事。体は疲れてるからすぐ寝れると思うよ」

頭を撫でられながらそう上から降ってくる声が安心して
さっき寝れなかったのが嘘みたいで…

「今日ていうか昨日か。小児科の子どもたちとパーティーしたんでしょ?」

「うん。みんな…いい笑顔してたよ」

私は子供たちの顔を思い出しながら答えた。

「そっか。ツリーとかみんなで見たの?」

「ぅん。…みんな…で、点灯…もした」
みんなでカウントダウンもして、イルミネーションっぽくした。

「きれいだった?」

「ん。ピカピカ、して…た」
あぁ、寝そう。晴の声が少し遠くで聞こえる。

「眠くなってきた?」

「ん、もう…ねそ、う」

晴が笑って

「声がもう…ねむそう」

「はる?」

「ん?」

「好き…だ…よ」

そこで私の意識は途切れた。

だから、晴が私の言葉を聞いて自分の手のひらで照れた顔を隠していることを知る由もなかった。