一度倒れたら、溺愛がとまりません!!

「晴、何の治療するの?点滴?だったらヤダ」

「フッ、ストレートにヤダって言うようになったね。点滴じゃないよ。キズ確認する。あと、薬もね」

「なら、できる」

「よし、ご飯食べれた?」

「少し葵にあげちゃった。でも、食べたは食べた」

「まだ食欲は戻らないか…オッケー、じゃあここの診察室入って」

座っててっと言われたのでおとなしく椅子に座った。

晴は、色々持って対面の椅子に座った。

「腕みして。抜糸しようと思って」

「あー、抜糸ね、って?!え?!抜糸すんのいまから!?」

「うん!だからやっぱベッドに寝てくれる?」
晴は作った笑顔で言ってきた。

「ちょ、ちょっと待って。覚悟がまだ…」

「はいはい、大丈夫痛くないから。寝て」
あっという間にベッドに寝かされ、腕をめくられた。

「ほんとにやるの?待って、ちょっとだけ待って」

「待ってもどんどん怖くなるだけだから。
やるよ。うごかさないでね」

「う…こわ…」

「はい、終わり」

「え?もう終わったの?」

「痛くなかったでしょ。よく頑張りました」

「はぁー、怖かった。医者でもやったことないんだよね。抜糸」

「そうなんだ。まぁ、場所によっては激痛らしいよ。とくに指とか」

「想像しただけで…怖すぎ。神経が集まってるもんね」

「薬は飲み薬出てるから、飲んどいて」

ピリリリ
晴が救急から呼び出されたっぽい内容が電話から聞こえた。

「悪い、呼び出し。あんま無理するなよ」

「はーい、私も必要なくらい大変だったら呼んで」

「おう、そうならないように最善をつくすわ」

晴は、診察室を出ていった。素直に薬を飲んで私も仕事に戻ろうとしたら、机の上に晴の名札とスマホが置いてあった。

「わすれてるし、届けるか」

私はそのまま救急の方に向かった。