一度倒れたら、溺愛がとまりません!!

帰りの車の中で南が尋ねてきた。

「あっ、そういえば夏は?ここに住んでないんだね」

「あー、夏樹ね。あいつは今大学に通ってるんだけど大学が遠くだから一人暮らし中」

夏樹とは、俺の弟。俺とは6歳差で南にとっても弟認識になっている。

「うん…それは知ってたけどこのへんじゃないんだ。一人暮らし中だったのか、アイツ。夏もおとなになったね」

「うん…?ちょっとまって。何でそんな知ってる風なの?大学うかったことしってるの?」

「え、普通にたまーに連絡し合うから、
晴たちが引っ越したときも夏だけませてて
携帯持ってたじゃん、だからメールしてた」

「え、俺にはメールしてくれなかったのに?」

「いや、晴が携帯持たなかっただけじゃん。モテてたからいろいろ連絡先とか聞かれそうで怖いって」

「…損した。持っとけばよかった」
持っとけば南の進捗を聞けたのに
持っとけば…

俺は口をとんがらせた。