南を俺が使ってた部屋のベッドに寝かすと
俺は自分の部屋を見回した。

「俺がいたときと何も変わらない…」
それが嬉しかった。医者になるために使ったテキストや参考書などがおいてあった。

「あ、これ…南に渡そう」
手に取ったのは救急専門医の本だった。

「この部屋に南がいるなんて、人生わかんねぇな」
南の涙をぬぐって俺は部屋を出た。