一度倒れたら、溺愛がとまりません！！

「お父さん、一人にさせないでよ、ねえ
おいてかないで、ねえ」

「ここまでです。今から手術するので」
そんな言葉聞こえていなかった。
ただただ、お父さんを呼び続けた。

「イヤだ、嫌だよ。こたえて…おとうさん」
過去一声を荒らげた。

「離れてください」

「南！」
その言葉を聞いた瞬間、私の体はお父さんのストレッチャーから離され、男の人の胸の中にいた。

「ねえ、離して、はなしてよ！うぁー」

「落ち着け！大丈夫だから」

「やだ！やめて…」
晴の声が聞こえていなかった。

手を使って晴の拘束から解かれようとしたとき、

「みなみ！」
そう呼ばれて上を向いた瞬間唇と唇が触れた。

「ハァ…ハァ…、…は、る」
キスされた時、やっといろんな状況が掴めた。

「南、お前はなんのために医者になったんだ？」

「……わ、たしは、お母さんみたいな人を、救い、たいと思ったから」

「だったら、何をしなきゃいけない？」

「…家族として…医者として、お父さんの手術を、見届け、る」

「よく言った」
晴は、私の頭を撫でた。