君の甘い笑顔に落とされたい。


第一音楽室にいけば久世くんとお話できそうだけど……
いつそこにいるのかも分からないし。

ていうか、1人になりたい時に使っている場所なんだとしたら私絶対お邪魔だろうし。

かといって教室にいる久世くんに話しかけに行くのはだいぶ勇気がいる。


「(どうしよう……)」


うーん、と頭の中で考えていたその時。
誰かが私の名前を呼んだ。



「花戸さーん!」



桃ちゃんと顔を合わせる。
だって、周りにを見渡しても誰もいないから。

不思議に思って耳をすましてみる。


「花戸さん!こっち!うえ!」


この声……椎名くん?
ていうか上って、どういうこと?

ベンチに座ったまま、顔を上に向けてみた。