次の日ピンを桃ちゃんに渡したら、最初は驚いていたけど、「本当にありがとう!」って笑って喜んでくれた。


「でも大変だったでしょう?1人で探してくれたんだよね?」
「あ、えっと……久世くんも一緒に……」


私だけじゃなくて、久世くんも手伝ってくれたんだよ。
私1人だったら見つかるのに時間もかかっていたかもしれないけど、
久世くんのおかげでそんなに時間をかけることなく見つけられたの。



「……茉白ってさぁ、本当に久世のこと何とも思ってないの?」
「えっ!?」



いつもの紙パックのオレンジジュースを飲みながら、桃ちゃんは私の顔を覗き込んだ。


「だって、やっぱり久世のこととなると顔つきがさぁ、なぁんか幸せそうっていうか」