君の甘い笑顔に落とされたい。


なんで……最初は簡単に開いたのに……
ガタガタ揺らしてもスライドしてくれない。

ど、どういうこと?


すると、後ろからこちらに向かってくる足音が聞こえてきた。
きっと、久世くんだ。



「……コツがある、」
「っ、え……!?」



扉に片手をついて、もう片方は私の手を覆うように触れている。
久世くんの手は、ひんやりと冷たかった。



「扉押しながらじゃないと中からは開かない」



っ久世くん、私の心臓の音、聞こえてませんか。
久世くんが急に触るから、これ以上はないってぐらいのスピードで、ずっとドキドキしてるの。


ガラッと音を立てて扉が開き、廊下の冷たい空気が私の頬を撫でた。

何も言わないでいる私を不思議に思ってか、久世くんが後ろから顔を覗き込んでくる。