さらに気怠そうに前髪をかき上げるその仕草が、どこか色っぽくて。
私は言葉を発するのを忘れてしまっていた。
「……"ゴールドでキラキラの桃ちゃんのピンを探しにきた"?」
「っあ、そう!そうですっ」
桃ちゃんの選択授業が音楽で、だから音楽室に落としたのかもしれないと思って。
お昼休みまではちゃんと付けてたから……
たどたどしくそう続けると、久世くんは「ふぅん」と一言呟くだけ。
「えっと、でもきっと授業を受けたのはここじゃないんだよね……私、第二音楽室に行くよ」
「……」
「あの、お邪魔してごめんなさい」
ぺこっと頭を下げてソファから離れる。
「あ、あれ?」
音楽室のスライド扉に手をかけて外に出ようとするも、中々開かない。

