「ねぇおまえらバカなの!?ただのカラオケだろっ、おい椎名っ!泣くな!」
「いや泣いてないし泣かないし……!あとで覚えてろよおまえら!つかはやく行くぞっ」
同じグループの人たちの背中を押して、椎名くんは私たちを振り返った。
「ごめんね騒がしくて」って、申し訳なさそうに言うからブンブンと首を振る。
「柚琉、花戸さんの手少しでも離したら、俺がもらっちゃうからな!」
「悪いけど、離すつもりはねーよ」
なんの迷いもなく言葉を返した久世くんに、椎名くんは明るく笑った。
「──そこで待ってて。ノート取ってくる」
「あ、うん!」
教室の外から、自分の机の中を確認している久世くんを見る。

