君の甘い笑顔に落とされたい。


「ち、かくない……?」


息をするので精一杯。
一方久世くんは、私と目を合わせたまま、呆れたように微かに眉を寄せる。


「顔、合わせてくんねーから。どっかケガしてんのかって心配すんだろ」
「う……」


でも、それにしたって、確認の仕方が……
この前も思ったけど、久世くんって人との距離感が全体的に近いような……



「つーか、これ1人で運ぶの花戸さんには無理だから。誰かに声かけろよ」
「あ、そうだよね……反省します……」



心配、してくれてるんだよね?
言い方はぶっきらぼうだけど、こうやって代わりに運んでくれるでしょ。

久世くんのそういうところ、やっぱり良いなって、思っちゃうよ。