『俺にすればいいよ』
『俺は、花戸さんのこと好きだよ。』
また、じわじわと頬に熱が集中したのがわかった。
もうこんな顔見られたくなくて、椎名くんの視線から逃げたくて、彼の横を通り過ぎようとした。
……けど、グイッと肩を引かれたせいでそれは叶わなかった。
「──この前の返事はいらないから」
耳元に唇を寄せて、私にしか聞こえないような声で、そんなことを言うから。
ドキッとして、体が固まる。
「俺のこと好きになってくれるまで待ってる。だから、返事はその時にして」
離れ間際、椎名くんと目があった。
……椎名くんは、いつも私のことを真っ直ぐに見てくれる。
「あっ、椎名ー!ちょっと来てー!」
優しく笑った椎名くんは、最後に私の肩をポンと叩いた。
「今いくー!」

