君の甘い笑顔に落とされたい。


どうすれば元気になってくれる?
私になにか出来ることはある?


「久世くん!」
「なに?」

「ポップコーン買うの忘れてたっ」


腕を掴んで引き止めると、久世くんはぱちぱちと瞬きをした。


「映画にはポップコーンは必須でしょ?」
「そうなの?」

「そうなの!飲み物も一緒に買お!」


ぐんっと引っ張って売店に向かう。
強引すぎたかな、でも、これしか思いつかなかった。

ポップコーンなんかで元気になってもらえるとは思ってないけど、少しでも久世くんの気分が上がればいいな。


ドリンクとポップコーンのセットを売店で無事に購入し、いよいよ劇場の中へ。

席に座ったところで久世くんが可笑しそうに小さく笑うから、首を傾げた。