あるよ。久世くんと行きたいところ。 ここに行ったらきっと楽しいだろうな、とか、ここは苦手そうだなとか。 叶わなくても、想像するのは自由だと思って色んなことを考えてた。 恥ずかしいけど、でも、それが当たり前だったの。 「あしたまで公開してる映画があるの。……一緒に観に行きませんか」 久世くんは、私の言葉に小さく笑った。 「いいよ。一緒に観に行こ」