うぅ、久世くんの視線というか、圧がすごい。
"こっち向け"って、言われてるみたい。
まるで、久世くんの綺麗な瞳に吸い寄せられるようだった。
私と目があった彼は、満足そうに表情を和らげて。
「手、離したほうがいいならそーするけど、ほんとにそれでいいの」
こんな、ずるいことを言う。
「……」
「茉白」
「っなんでなまえ、」
「なんだよ、名前もだめ?」
ずるい。ずるすぎる。
これ以上好きにさせないで。
「……じゃ、ない」
「なに?」
「だめじゃない……手も、このままがいい」
私ばっかり、久世くんのことが好きで。
久世くんはいつも余裕があって。
手のひらの上で転がされてるみたいだ。
でも、もうそれでもいいやって思ってしまうから、本当にどうしようもない。

