君の甘い笑顔に落とされたい。


教室に入ってきた椎名くんに肩を叩かれ、校内ドロケイの幕は閉じた。


「花戸さんを4階で見失ったって聞いてからあやしーとは思ってたけど、やっぱ柚琉んとこいたんだ?」
「う、最初からここに来るつもりは全くなくて……不可抗力です」

「あはは、じゃあ仕方ないね。つーか柚琉もここにいたんなら参加しろよな〜メッセージ送ったじゃん!」
「……眠かったから」

「ぶれないねぇ」


えと、じゃあ、ドロケイも終わったことだし、久世くんもいるわけだし。
私の役目はこれで終了ってことで、いいのかな……



「じゃあ、私はこれで……っわ、!?」



そーっと2人から離れようとした瞬間、ぐいっと私の腕を引っ張ったのは椎名くんで。
突然のことにパチパチと瞬きをすることしかできなくなる。