その言葉に目を見開く。
『……怒ってはないけど、おもしろくない』
『俺に、会いにきてくれたのかと思ってた。』
そんことあるわけないって分かってる。
分かっているけれど、あんな言葉をかけられて、そんな風に見つめられたら。
私のことを少しでも意識してくれてるんじゃないのかって、期待してしまう。
「なに」
「や、なんでもない、」
だめだめ、そんなことあるわけない。
変に期待するのは良くない。
良くない、けど、
……でも、もし、本当にそうだとしたら……
「あの、久世くん……」
繋がれたままの左手。
無意識に力が入ってしまう。
俯きがちだった顔をあげて、
恐る恐る久世くんに視線を移した。

