君の甘い笑顔に落とされたい。




『じゃあ、制限時間は30分ね!』
『頑張ろうね、花戸さんっ』



……って、言ってましたけど……!!


「あっ!花戸さんいた!上だようえ!階段のぼってる!」


開始してわずか10分、花戸茉白、すでにピンチです。
まさかこんなに早く見つかるなんて……!

チラリ、後ろを振り返ると、警察側の男子が
階段に足をかけているところだった。

うぅ、とにかく早く撒かないと!

私の出せる最大スピードで階段を駆け上がっていく。
どうしよう、どこか教室の中に入る?

ていうかっ、ドロケイしてるところを先生に見られたら絶対怒られちゃうよね……!?


ぐるぐる、もう頭の中はパニック寸前。


3階まで上がって、近くの教室を覗いてみる。
っだめだ、教室でお喋りしている人たちいる……