その声に振り向くと、椎名くんがびっくりした顔をして立っていた。
「椎名くんこそ……」
「図書室で勉強してた。
イヤフォンしてたから雨の音に気づかなくて」
「すげー雨だね」なんて、困ったように笑う。
私は折りたたみ傘を持ってるけど……椎名くんは手ぶら。
もしかして、傘、忘れてきちゃったのかな?
「あの、傘は?」
「あー……持ってないや。だって朝は雨降ってなかったじゃん?」
「えぇっ、どうやって帰ろうとしてたの……」
「駅まで走ろうかなって。花戸さんはその傘使って帰りな?」
は、走るって……
さすがにこの雨じゃあ、傘無しはしんどいんじゃないかな!?
「あの、良かったら──……」

