からかわないで、久世くん!
恥ずかしくなってきちゃうでしょ……!
笑い続けてる久世くんを見て、むぅっと頬をふくらます。
「か、かえる……っ」
ガタッとピアノの椅子から立ち上がって、
しゃがみ込んでいる久世くんの横を通り過ぎる。
「──……っ久世くん、はなして」
いや、通り過ぎようとしたんだけど。
私の手首を掴んでいる久世くんに視線を落とした。
私を見上げて、笑みを含んだ表情で。
「教えてほしいんじゃねーの」
なんて、スマホ片手に悪戯っぽく聞いてくる。
久世くんの一つ一つの仕草に、私は一々ドキドキしちゃって、ほんとに、困る。

