「お祭りの前にインターハイがあるんだよ?」


インターハイ出場の常連校とまでは言えないけれど、数年に一度チャンスがあれば出場できるほどそれなりの実力を持ったうちの学校は、今年は見事勝ち進み、インターハイに出場する。

トーナメント制で行われるため、負けたらそこで終わりだ。

祭りに思いを馳せるのもいいけれど、まずは目の前に迫る大会に備えなければならない。


そう思いながら、バスケットに対しての自らの気持ちの高まりを感じた。

それはきっと、応援してくれたり褒めてくれたりする可奈と星野が影響しているのだろう。

相変わらず自分の単純さに笑いが込み上げてくるけれど、それが原動力となっているのなら、なんら問題はないはずだ。


「インターハイ、頑張ろう!絶対絶対、勝ち進もう!」


意気込む可奈はぐっと拳を握りしめてわたしの目の前に突き出した。

コツン、と同じようにして拳を合わせる。


「私はいつでも栞ちゃんの味方だからね!」


透き通る青空からまっすぐに届く光が、可奈の横顔を照らす。


わたしも、いつだって可奈の味方だよ。

何があっても絶対に守り抜いてみせるから。


ふんわりと笑う可奈を見ながら、心の中で強くそう思った。