***


ふと、わたしたちの関係性はなんだろうって考えたときに。


友達、は少し距離が近すぎて。

他人、は距離がありすぎて。


恋人、ではないから、きっと友達と他人の間の関係なんだろうな、と思う。


友達以上恋人未満なんて言葉があるけれど、それでいくとわたしたちは他人以上友達未満だ。


……いや、他人以上恋人未満の方がしっくりくるかもしれない。


それでも下校を共にしてしまうくらいには、それなりに気を許しているのかもしれない、などと考えて、悶々としながら歩く。


「……なんつー顔してんだよ」


わたしの顔を覗き込んだ彼が、訝しげに眉を寄せた。


なんつー顔、って。

わたしはいったいどんな顔をしているんだろう。

それを知っているのは、正真正銘、星野だけだ。


ぼんやりと考えながら、視線を前に戻して、少しだけ上を向く。


澄み渡る青空、少し広い道路、左右に生い茂る緑。


目に映るのはいつもと変わらない田舎の風景。

あたたかい風が頬を撫でて通り過ぎてゆく。

今日の風は、心地が良い。