彼女を抱きしめようとして、ふと動きを止める。
もしかすると、無意識のうちにしていた動作のひとつひとつに、毎度可奈はドキドキしていたのかもしれない。
仲がいい故に近かった距離。
思い返してみれば、たまにぎこちなく感じたのは、そういうことかもしれない。
「栞ちゃん、大好きっ」
わたしが抱きしめるより先に可奈が勢いよく抱きついてきた。
「わっ……」
「世界でいちばん大好きだよ!」
今まではどこか遠慮があるような、妙によそよそしかった可奈。
ようやく何かが吹っ切れたようだった。
「わたしも可奈のこと大好き。誰よりも大切に思ってるよ」
そっと告げると、可奈は少し切なそうに、それでも嬉しそうに笑った。



