涙を零す可奈は、まっすぐにわたしを見つめた。
迷いのない瞳にはわたしが映っている。
それからゆっくりとお父さんに瞳を流し、小さく息を吸ってその先を続けた。
「……栞ちゃんが悲しい思いをするのは嫌なんです。あなたが私を恨むのも、殺したいと思うのも、仕方のないことだと思います。でも栞ちゃんのことは、栞ちゃんのことだけは!!」
可奈の声とは思えない大きな声で、お父さんに可奈が強く言葉を発した。
それから泣き出すような口調に変わる。
「……お願いだから、大切にしてあげてください。孤独にしないであげてください。もう、悲しそうにしている栞ちゃんを見るのは嫌なんです」
見破られていた。
孤独な部分は隠せていたと思っていたのに。
明確には分からずとも、可奈は違和感を覚えていたのだ。



