「……そうか、君が」
お父さんが震える唇で言葉を紡ぎながら、可奈の肩を掴んだ。
「……はい。私が、栞ちゃんのお母さんに助けていただいた人間です。私がっ、栞ちゃんのお母さんを殺した、人間です……っ」
可奈が、お母さんに救われた子だった。
お母さんが救った子供は、可奈だった。
その事実がなかなか上手く結びついてくれなくて、わたしはただ呆然と二人を見ているしかなかった。
「許してくださいなんて、そんな都合のいいことは言いません。何度謝っても許してもらえないほどの重い罪だってことは分かっています。本当に、本当にごめんなさい……!!」
可奈の声は震えていた。
それは、お父さんとわたしの反応が怖いからだろう。
足が震えていて、よほど恐怖を感じているのだ、と気がつく。



