気がついたら私は助かっていて。
その女性は未だ見つかっていないということだった。
私の手には海の色をしたブレスレットが握られていた。
「可奈!」
「本当によかった…!」
飛んできた両親がぎゅっと私の身体を抱きしめる。
私の無事を喜んでくれる人がいるように、あの女性の帰りを待つ人たちだっている。
それなのに、私のせいで悲しい思いをする人がいるかもしれない。
大きな罪悪感で潰れそうだった。
いっそ死んでしまおうか、私は人を殺してしまったかもしれない。
そう何度も間違った道を進もうとした。
けれど。
『……生きて。』
あの人に守ってもらった命は無駄にするわけにはいかない。
その一心で、ここまで生きてきた。
いつかまたその女性に会えることを信じて。



