海色の世界を、君のとなりで。


「可奈とは昔からの、付き合いなの……?」


 涙声のまま訊ねると、星野は目を丸くした。

 それから小さく息を吐いて、ゆっくりとわたしの目を見つめる。



「言っとくけど、俺の好きなやつは小鞠じゃないからな」


「え……っ」


 星野は可奈のことが好きで、可奈も星野のことが好きだと思っていた。

 ふたりは両想いで、とても素敵なカップルになるのだと思っていた。

 けれど心のどこかで嫌だと思っている自分もいて。


 そんな自分自身の気持ちが、わからない。



「鈍いよな、ほんと」

「……え?」

「まあ、そのほうがいいのか」



 小さく呟かれた言葉を耳が拾う前に、星野はわたしの目を見つめ返す。