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 差し込む光が星野の横顔を照らす。

 窓の外から入ってきた風が彼の艶やかな黒髪を揺らし、まるで映画のワンシーンのようだ、と思う。



「……なんだよ、話って」


 まだどこかぎこちない星野。

 それほど一昨日の出来事が強烈だったのだろう。できることなら、一昨日の出来事はなかったことにして、これまでと同じ関係でいたい。

 そう思っているのに、どうしても星野とギクシャクしてしまうから。ちゃんと伝えるしかないと思った。



「実はあの雨の日……星野が最後に言ったこと、ちゃんと聞こえてなかったの」


 その瞬間、は?と星野が目を丸くする。



「だから、もし、そのこと気にしてるんだったとしたら、聞こえてないから安心してほしい、っていうか……」



 星野は静かに目を伏せ、嘆息する。

 けれどそれは安堵だけではなさそうなものだった。


 まだ修復できていない、切れてしまったネックレスを胸の前で握りしめる。

 すると星野はガラスドームを一瞥し、おもむろに口を開いた。