海色の世界を、君のとなりで。


「俺の病気は……治る。絶対に、治す」



声に出して、強く心の中で思う。



『信じれば、いつか本当になる』



もしかすると、もう二度と会えないかもしれない。


俺の人生に舞い降りたひとりの天使だったのかもしれない。


それでも。



「会いたい。いつか、もう一度」



そのときは、一緒に海を見にいくんだ。


今日交わした約束を果たすんだ。


名前も知らない、どこに住んでいるのかも分からない、何歳かすら知らない。


そんな女の子なのに。



また会える。



そんな絶対的な確信があった。


病気が治って、奇跡的に再会できたとして、彼女が俺のことなんてすっかり忘れていたとしても。


絶対に振り向かせてみせるし、一緒に海に行こうと誘う。


言霊を信じて、俺は進むよ。


どこまで続いているか分からない闇の中でも、懸命に前を向くから。


叶ってほしいことは口にだして、心から願うから。



だからもしこの願いが叶うなら────。



ずっと、君のそばにいたい。