海色の世界を、君のとなりで。


『でも、流石に糖分過多かなぁ。可奈は真似しちゃだめだよ』



口角を上げて可笑しそうに笑い、ストローに口をつけてミルクティーを飲むあなたを見ていると。



……羨ましいな。



ここまできてしまった私は、もうとっくに手遅れだ。


それでも、あなたに愛されているのが羨ましかった。


だから私も、あなたの好きなものに少しでも近付きたいと思った。



『可愛い』



明るく染められた私の髪を見て、そう言ってくれたとき。



……あなたのものになりたい。



そう、思ってしまった。


強く、はっきりと。



あなたが望むのなら、いくらでも男の子になろうと思った。


髪を切って、身体を鍛えて。


頑張って身長だって伸ばそうと思った。




でも、本当は。



────女の子のままの私を、好きになってほしかった。