海色の世界を、君のとなりで。


『いつかあんなふうになりたいなあ』



栞ちゃんの瞳に映れる存在に。


知ってる?

星野くんを見る栞ちゃんの目は、いつだってキラキラしているんだよ。



『星野くんは……?』


お願いだから、頷かないで。


頷いてしまったら、私の勝算はなくなってしまうから。



『栞ちゃんは格好よくて可愛い、私の憧れの人だから』


世界で一番、特別な人。


世界で一番、近くて遠い人。



『その気持ち、分かるよ。好きになっちゃいけないのに、どうしても好きなんだよね』



ごめん、止められない。

分かっているのに、もうどうしようもないの。

この気持ちは本物で。



────あなたのことが、好きで好きでたまらない。




『あっ、星野くんこっちくる!』


『うわっ、腹チラとかご褒美じゃん。ねえ、栞ちゃん』


『星野くんと一緒のバスなんて最高!』




バレたくなかった。


気持ちが溢れてしまわないように、わざとそんな言葉を言って。



……なんて、そんなのは半分本当で半分嘘。