こんなこと、私は望んでいなかった。
彼氏とか、彼女とか。
付き合うとか、別れるとか。
好きとか、愛してるとか。
本当に興味がなかったのだ。
まったくと言っていいほどに。
カップルを見るたび、幸せになってほしいと純粋に思っていた。
だって、肩を並べる男女はどちらも嬉しそうに笑っている。
こんなに幸せなことってない。
恋人が欲しいから羨ましいんじゃなくて、綺麗な恋愛をしていることが羨ましかった。
私の中での恋愛は、黒くてどろどろしていて、引き込まれてはいけない闇。
それなのに、足掻けば足掻くほど足を取られて、深く、深く嵌まっていく。
容姿は整っている方だという自覚はあった。
過去の出来事を遡ってみると、認めなければ少しは嫌味になるくらいには。



