海色の世界を、君のとなりで。


「人間さまざまなセクシュアリティがあるでしょう?蛙化現象は否定されやすいけど、もしかしたらそれはリスロマンティックっていう性的指向の可能性もあるの」

「……知らなかったです、そんな言葉があるなんて」

「リスロマンティックの他にも、手を繋いだりキスしたり、そういう身体の接触自体が嫌な人もいて、恋愛や距離感について悩んでいる人は案外多いものなのよ。あとは、もともと好きになる性別が違う場合もあるわ」



ジェンダーレス、同性愛、LGBTQ、アセクシュアル。


耳にすることはあっても、自分のこの気持ちに特別な名前がついている可能性なんて、微塵も考えていなかった。


リスロマンティック。


この曖昧で理不尽な気持ちは、もしかするとわたしの性格の問題ではないのかもしれない。