海色の世界を、君のとなりで。


画面をスクロールするうちに、目に入ったひとつのコメント。


『本当に好きな人と出会えたら、治りますよ』


ひどく落胆した。

"本当に好きな人"と出会うまで、あと何人と付き合えばいいの?

何人の男性を傷付ければいいの?


そもそも、"本当に好きな人"って何だ。


嘘偽りの気持ちで付き合ったわけではない。

同情したわけでも圧されたわけでもなく、好きだから付き合ったはずなのに。


一年生のときも、三年生のときも、どちらも全力の恋だった。

決して遊びだったわけでも、仕方なく付き合っていたわけでもない。


もしも次好きになる人が"本当に好きな人"だったのなら。

こんな思いもせずに、幸せになれるのかもしれない。


けれど、そんな保証はどこにもない。

これでは、"本当に好きな人"と出会うまでの人を理不尽に傷付けることになる。


そんなの、耐えられない。

だから、わたしは。


きっとこれは誰にも言ってはいけない、と。


強く強く心に刻み込んで、これから先、決して恋愛をしないと決めた。