海色の世界を、君のとなりで。



一年生のときは、自分が子供すぎただけだったのだ。

大人になりたいと背伸びをしてしまっただけだったのだ、きっと。


そう思い込んで、必死に自分を納得させて、付き合った。

けれど、だめだった。

一年生のときとまったく同じように、自分でもよく分からない嫌悪感に支配された。

手を繋ぐとか、ハグするとか、そういうことに嬉しさやドキドキを見出せなくて、ただただ不快でしかなかった。

そういうことを求められても応じることができなかったし、なにより応じられてもおかしくない状況、立場にあるということが気持ち悪くて仕方がなかった。


そこで、はっきりと気付いた。

わたしは、恋をしてはいけない人間だと。

そういう人間として、生まれてきてしまったのだと。


わたしは"普通"ではない。


人を好きになって結ばれる。

そんな単純で簡単なことすらできない人間なのだと。


自分でもどうしていいか分からなかった。

だって、小説の中の女の子たちは。

頑張って恋が実って、それから先の輝く日々を大切に噛みしめて。

あんなにも幸せそうだったのに。

キラキラしていたのに。