***
「あたし、ちゃんと見てたよー?可奈が香山に告られてるとこ」
「あ、ウチも見た見た!」
布団を敷き終わった頃。
旅館の一室、枕を抱えるようにして布団の上に座った白雪さんが、にんまりしながら可奈を見た。
寝転がったままの涼風さんも、口許を緩めて可奈に視線を遣る。
「やっぱモテ女は違うね」
「どこ行ってもモテるんだもん。そりゃ人生大変だなー」
ケラケラと笑いながら身体を起こす涼風さん。
「せっかくの修学旅行だし?学年一のモテ女もいることだし?」
「やるしかないっしょ、恋バナ!!」
おーっ!と盛り上がってしまった二人。
ちらと可奈を見ると、その横顔に一瞬スッと影が落ちた────ような気がした。
けれど、二人はそんな可奈のようすに気付くことなく、話を弾ませていく。
「まず、結果から聞きたいよね。オッケーした?それとも振った?」
「……」
「なんでそんなにだんまりしてるの、可奈ちゃーん」
「教えてよ可奈。恋バナしようよ」
二人に圧されて、可奈は力なく首を横に振った。
「え、まじ?振った?」
「香山おつじゃん」
ケラケラと笑う二人。
わたしも告白の結果を気にしていた部分はあった。
だからこの手の話になったこと自体、少し二人に感謝するところはある。
「あたし、ちゃんと見てたよー?可奈が香山に告られてるとこ」
「あ、ウチも見た見た!」
布団を敷き終わった頃。
旅館の一室、枕を抱えるようにして布団の上に座った白雪さんが、にんまりしながら可奈を見た。
寝転がったままの涼風さんも、口許を緩めて可奈に視線を遣る。
「やっぱモテ女は違うね」
「どこ行ってもモテるんだもん。そりゃ人生大変だなー」
ケラケラと笑いながら身体を起こす涼風さん。
「せっかくの修学旅行だし?学年一のモテ女もいることだし?」
「やるしかないっしょ、恋バナ!!」
おーっ!と盛り上がってしまった二人。
ちらと可奈を見ると、その横顔に一瞬スッと影が落ちた────ような気がした。
けれど、二人はそんな可奈のようすに気付くことなく、話を弾ませていく。
「まず、結果から聞きたいよね。オッケーした?それとも振った?」
「……」
「なんでそんなにだんまりしてるの、可奈ちゃーん」
「教えてよ可奈。恋バナしようよ」
二人に圧されて、可奈は力なく首を横に振った。
「え、まじ?振った?」
「香山おつじゃん」
ケラケラと笑う二人。
わたしも告白の結果を気にしていた部分はあった。
だからこの手の話になったこと自体、少し二人に感謝するところはある。



