明るい、何もかも。

暗い部屋に急にあかりがついたとき、しばらく眩しすぎて目を開けていられないように。

暗い世界に慣れてしまったわたしにとって、周りの世界は明るすぎる。

眩しすぎて、目を開けていられないほどに。


きっと今日の出来事だって、星野の中ではほんの些細なことにすぎなくて、この先思い返して語り合うことなんてないだろう。

それは分かっているのに、わたしの中でなかったことにできるかと問われたら、その答えは否だ。


かすかな胸の高鳴りも、たしかな感動も、ついしてしまった拒絶も、小さく生まれた哀しみも。

すべてわたしの心の中に残って、蓄積されていく。


蓋のない箱の中に、ゆっくりと、ゆっくりと。