海色の世界を、君のとなりで。


夜は感情の波が激しい。

たとえ自分がどんなに幸せでも、つらいことがなくても、なぜか涙があふれてくる夜がある。

自分自身、いったい何が哀しくて泣いているのかわからないのに、あとからあとから涙が出てきてしまって。

誰もいない世界に自分だけポツンと取り残されてしまったような不安に襲われて、眠りにつけない夜がある。


決して人には言えない。

どうせ共感してもらえないから。


『なにそれ、病んでるふり?だっさ』


痛いやつ認定されて、そんな言葉を言われてしまうのが目に見えているから。



共感してもらえない孤独というものは、はかりしれないと思う。

自分のものでさえよくわからないのに、ましてや相手の孤独を理解(わか)ってあげることなんて不可能だ。

いつなんどきも孤独はその人のそばにいて、少しでも隙を見せると(むしば)もうとしてくる、深い深い闇。