海色の世界を、君のとなりで。


「……った」

「泣くな。今まできついことたくさん言っちゃって悪かったね。栞には期待してるからさ……これでも」


ぶわっとまた涙が込み上げてくる。

だめだ、こんなの。

普段厳しかった分、優しくされると耐えられるはずがない。


「四番背負って、来年こそ勝ち進みなよ。あたしも麗華もそれを望んでる」

「わたしが……キャプテン……?」


勝ちたいと願えなかったやつが、キャプテン番号など背負えるはずがない。

四番をつけるということは、実力はもちろん、試合態度、コート外での礼儀や人間性、その他さまざまな面において注目されるということだ。

常にみんなを引っ張っていけるような、誰よりも勝ちたいと願える人でないと務まらない。

それくらい、大きな存在なのだ。

心強い背中なのだ。


……四番の背中というものは。