「リバウンド!」
身体をぶつけてマークマンを押し出して、ボールに向かって思い切りジャンプする。
指先まで神経を集中させた、そのときだった。
「……った……」
ドンッ、と身体に衝撃が走る。
そのままぐらっと視界が揺れて、コートに倒れ込んだ。
相手選手と接触したんだ、と気付いたときには、すでに足首に鈍い痛みが走っていて、視界には茶色い床しか映っていなかった。
……嘘でしょ。
わたしはいつも間が悪い。
どうして、こんなときに。
涙が溢れそうになる。
笛によって試合が中断され、誰かがこちらに走ってくる音がした。
それは数人のもの。
可奈と、あとは誰だろう。
ぼんやりとそんなことを考えていたときだった。



