取り敢えず、ベンチには座らせたが…。

温かいものを飲むと落ち着くって言うよな。

ふと、ベンチの隣にある自販機に目をやると『あったか〜い』のエリアにココアがあった。

これにしよう。

缶の温かいココアが自販機から出てくると、彼女に渡した。

彼女から涙の理由を聞いたら、とんだ俺の勘違いだった。いつものように本を読んでいたらしく、本の結末に感動して泣きそうになっていただけだった。

「そんな理由で良かった…。」

思わず声に出てしまった。

ふと気付くと遅刻になだてしまいそうな時間だったので、彼女に自分の連絡先を伝え学校に向かった。

…あ。名前…、聞けばよかった。
てか、彼女から連絡来るだろうか??

やっと仲良くなれるチャンスだったのに…。

急に不安でいっぱいになった。